デジタルノマドビザスタート!その内容や要件は?
世界中のデジタルノマドの皆さん!朗報です。これからは堂々とノマドとして日本に在留する資格が始まりました。
従来からある在留資格「特定活動」のうちの告示53号54号として、デジタルノマド(国際的なリモートワーク等を目的として本邦に滞在する者)及びその配偶者・子に対する在留資格を与えるというものです。
そもそもデジタルノマドとは?
デジタル技術を駆使してリモートワークをしながら国境に囚われずに、まるで「遊牧民(ノマド)」のように世界を旅する人たちをさす*。なんと現在(2024年)世界に3500万人もいて、その市場規模は7,870億ドルとする調査結果もあるようです。
コロナ禍を経た環境の変化は、インターネットの環境さえあれば、どこでも仕事ができるという世界に大きく変わりました。リモートワークができることを機に地方移住するという話もよく聞きましたが、そもそもその国にいる必要すらないということです。
従来は、デジタルノマドのような方々が日本に在留しようとする場合は、「短期滞在」の在留資格で来日することはできますが、原則90日までしか滞在できませんでした。それ以上働きたい場合は、技術・人文知識・国際業務のような、いわゆる就労ビザを取得する必要がありました。
では、このデジタルノマドビザ(特定活動告示53号)はどのような内容になっているのか見ていきます。告示54号はその配偶者・子に関する者なのでここでは省きます。
◯活動内容及び資格:
「本邦において6月を超えない期間滞在して国際的なリモートワーク等を行う者である場合
・外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体との雇用契約に基づいて、本邦において情報通信技術を用いて当該団体の外国にある事業所における業務に従事する活動
又は
・外国にある者に対し、情報通信技術を用いて役務を有償で提供し、若しくは物品等を販売等する活動」
やや分かりにくい言い回しですが、要するに外国の会社で働く人が、日本でインターネットを使ってその会社のために仕事すること、または、外国にいる人に対して、インターネットを使って、仕事を請け負う、もしくは物を売る等といったところでしょうか。
「※ 活動内容について、本邦に入国しなければ提供又は販売等できないものを除く」
「※ 資格外活動許可は原則認められない。本邦の公私の機関との雇用契約等に基づく就労活動は不可。」
本邦の公私の機関との雇用契約は別の在留資格があるのだから長期滞在を目的にする人はそっちを取るように、というメッセージでしょう。
◯在留期間:
6ヶ月で更新は不可。
少し短い気もしますが、ノマド用のビザなので数年に渡るような長期滞在を前提としていません。なお、出国後6ヶ月が経過すれば、再度この資格で在留することが可能です。
◯対象となる国・地域:
ビザなしで往来でき、租税条約を結んでいる49カ国・地域(2024年4月現在)の国籍保有者
残念ながら、現状は全ての国や地域の人を対象としたビザではありません。今後対象となる国や地域には変化があることが予想されますので、最新の情報をチェックしてください。
◯必要年収:
申請の時点で年収が1,000万円以上あること
◯その他の要件:
死亡、負傷及び疾病に係る海外旅行傷害保険等の医療保険に加入していること(滞在予定期間をカバーするもの)。
※ 傷害疾病への治療費用補償額は1,000万円以上が必要。
◯必要書類
在留資格認定証明書交付申請(新しくこのビザで日本への入国を希望する場合)
- 在留資格認定証明書交付申請書 1通
以下からダウンロード可能です。
在留資格認定証明書交付申請書(PDF:342KB)
在留資格認定証明書交付申請書(Excel:205KB)
- 写真 1葉(指定の規格を満たした写真を用意し、申請書に添付して提出)
※ 指定の規格を満たさない不適当な写真を用いて申請が行われた場合には、写真の撮り直しをお願いすることとなります。
- 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上、必要な額の郵便切手(簡易書留用)を貼付したもの) 1通
- 年収額(1,000万円以上)を証明する資料として申請人が就労した国等において発行された納税証明書又は所得証明書
※ 納税証明書等の提出ができない場合は、提出することができない理由を文書で説明の上、外国の法令に準拠して設立された法人等の雇用契約書、取引先との契約書(契約金額が明記されているもの)、年収に係る入金記録が分かる申請人名義の銀行等の預貯金口座の資料(預貯金通帳等の写し)
※ Web通帳の画面の写し等(取引履歴が分かるもの)であっても差し支えありません。
ただし、加工等できない状態で印刷されたものに限ります(Excelファイル等は不可)。
- 民間医療保険の加入証書及び約款の写し(適宜)
※ 本邦の滞在予定期間に応じた保険期間となっており、また補償内容に本邦在留中の死亡、負傷、疾病に罹患した場合が含まれているものを提出してください。
※ 傷害疾病への治療費用補償額は1,000万円以上。
※ クレジットカードに付帯する保険で当該補償内容を担保できる場合は当該補償内容等を証明する資料等を提出してください。
当事務所ではデジタルノマドの方への支援も積極的に行なっています。配偶者や子供も一緒に行きたいなど、気になることがありましたら遠慮なくお問い合わせください。
* The Asahi Shinbun Globe+ 2024年3月20日