【2026年最新】経営・管理ビザとは
2025年改正後の取得要件と、外国人経営者が注意すべきポイント
最終更新:2026年8月3日
執筆:下山記靖(申請取次行政書士・IAFJ行政書士事務所代表)
結論:現在の「経営・管理」ビザは、会社を設立して3,000万円を出資すれば取得できるという制度ではありません。常勤職員、日本語能力、申請人の学歴・職歴、専門家の確認を受けた事業計画、独立した事業所などを一体として準備する必要があります。
経営・管理ビザは、どのような人のための在留資格ですか?
「経営・管理」は、日本で貿易その他の事業を経営し、または相当規模の事業の管理に従事する外国人のための在留資格です。一般に「経営・管理ビザ」と呼ばれますが、法律上は在留資格の一つです。日本で新会社を設立する場合だけでなく、既存会社の経営に参画する場合や、外国法人の日本拠点を管理する場合も対象になり得ます。
ただし、会社を設立した事実と在留資格の許可は別問題です。会社登記が完了しても、申請人が日本で実際に行う活動が経営者としての活動でなければ許可されません。反対に、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」など就労制限のない在留資格を持つ人は、会社経営のために「経営・管理」へ変更する必要はありません。
2025年10月16日の改正で、何が変わりましたか?
2025年10月16日から許可基準が大きく改正され、従来の「資本金500万円または常勤職員2名」という理解は通用しなくなりました。現在、新たに取得する場合は、次の要件を原則として同時に満たす必要があります。
1.資本金または出資総額が3,000万円以上であること
法人の場合、資本金の額または出資の総額は3,000万円以上が必要です。重要なのは、通帳に一時的に資金を置くことではなく、その資金がどのように形成され、会社へ払い込まれ、事業のために使用されるかを説明できることです。贈与・借入れ・本国事業からの資金移動などがある場合は、契約書や送金記録を含めて資金の流れを明らかにします。
2.対象となる常勤職員を1名以上雇用すること
申請人が経営する会社等で、1名以上の常勤職員を雇用する必要があります。この人数要件で数えられる外国人は、原則として「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」など法別表第二の在留資格を持つ人に限られます。「技術・人文知識・国際業務」や「家族滞在」の人を雇用しても、この常勤職員要件を満たすとは限りません。雇用契約だけでなく、実際の勤務、賃金支払、労働保険・社会保険の手続も確認されます。
3.申請人または常勤職員に日本語B2相当の能力があること
申請人または常勤職員のいずれかに、「日本語教育の参照枠」B2相当以上の日本語能力が求められます。代表的な証明方法は日本語能力試験JLPTのN2以上、またはBJTビジネス日本語能力テスト400点以上です。日本人または特別永住者が該当者である場合のほか、日本での教育歴・在留歴によって証明できる場合もあります。
4.申請人に関連分野の学位または3年以上の経験があること
申請人は、経営管理分野または申請する事業に必要な技術・知識に関連する博士、修士もしくは専門職学位を持つか、事業の経営または管理について3年以上の経験を有する必要があります。単に会社の株主であることや、短期間フリーランスとして働いたことだけでは足りません。学位と事業内容の関連性、職歴証明書の具体性が重要です。
5.事業計画書について経営専門家の確認を受けること
新規の在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更では、事業計画に具体性・合理性・実現可能性があることについて、経営に関する専門家の確認を受けます。出入国在留管理庁が示す確認者は、中小企業診断士、公認会計士または税理士です。売上予測だけを並べるのではなく、市場、顧客、契約見込み、原価、人員計画、資金繰りを資料で裏付ける必要があります。
6.独立した事業所、必要な許認可、公租公課の履行
日本国内に継続的に使用できる実体ある事業所を確保しなければなりません。バーチャルオフィスの住所だけでは足りず、自宅兼事務所も、住居部分との区分、貸主の承諾、事業設備などを個別に説明する必要があります。また、飲食店営業、古物営業、旅行業など事業に必要な許認可の取得状況、法人税・消費税等の納付、労働保険・社会保険への加入と保険料納付も審査上重要です。
3,000万円を用意すれば許可されますか?
いいえ。資本金は入口の一要件にすぎません。申請人が日本に居住して重要な意思決定を行うのか、事業に継続的な売上の見込みがあるか、常勤職員に実際の仕事があるか、外部委託だけで経営者本人の活動が空洞化していないかが確認されます。事業目的を広く登記し、後から仕事を探すという計画では、事業の具体性を説明しにくくなります。
改正前から経営・管理ビザを持つ人はどうなりますか?
改正前から「経営・管理」で在留している人が、2028年10月16日までに更新申請をする場合、改正後の全基準を満たしていなくても、現在の経営状況や新基準に適合する見込みなどを踏まえて総合判断されます。これは自動的に更新できる猶予期間ではありません。増資、採用、日本語能力、許認可、社会保険など、期限までの改善計画を早めに作ることが重要です。2028年10月16日以降の更新は、原則として改正後の基準への適合が求められます。
赤字決算だと更新できませんか?
単年度の赤字だけで直ちに不許可になるわけではありません。創業期の先行投資など合理的な理由があり、売上回復の根拠や資金繰りを示せる場合もあります。一方、債務超過が続く、売上がほとんどない、役員報酬や給与を支払えていない、公租公課を滞納しているといった事情は深刻です。決算が悪化してから説明書を作るのではなく、更新前から税理士等と改善策を整理してください。
よくある質問
Q.フランス法人から日本へ赴任する場合も3,000万円が必要ですか?
日本法人、日本支店、既存事業への参画など形態によって検討が異なります。「企業内転勤」が使える場合もあるため、会社形態を決める前に、日本で誰が何をするのかを確認する必要があります。
Q.会社設立前に申請できますか?
通常は、会社、事業所、資本金、雇用、事業計画など申請の前提を整えてから申請します。自治体等の外国人起業活動促進制度を利用できる場合もありますが、対象地域・事業・期間には条件があります。
Q.行政書士に依頼すれば事業計画の専門家確認も完了しますか?
在留資格申請の代理・書類作成と、改正制度上の経営専門家による事業計画の確認は別の役割です。案件に応じて中小企業診断士、公認会計士または税理士との連携が必要になります。
IAFJ行政書士事務所のサポート
IAFJ行政書士事務所は、東京を拠点に、フランス語・日本語・英語で在留資格申請を支援しています。「経営・管理」では、会社を作ってからビザの問題に気づくケースが少なくありません。会社形態、申請人の学歴・職歴、資金、採用、事業所、必要許認可を早い段階で確認し、会社設立と在留資格の計画が矛盾しないよう整理します。フランス法人の日本進出、日本法人・支店・駐在員事務所の選択を含め、まずは事業計画を具体化したうえでご相談ください。
根拠資料
出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」 – https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html
出入国在留管理庁「在留資格『経営・管理』」 – https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html
出入国在留管理庁「『経営・管理』の許可基準の改正等について」 – https://www.moj.go.jp/isa/content/001448070.pdf
出入国在留管理庁「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」 – https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/nyukan_nyukan43.html
※本記事は2026年8月3日現在の公開情報に基づく一般的な解説です。個別案件の許可を保証するものではありません。
日本の常駐の1名以上の職員の雇用が必要、かつ3000万円以上の出資金に相当する金額が求められます。
はい、ビザの取得には日本国内に実際の事業所を設置する必要があります。賃貸アパートのような場合は、賃貸借契約書の使用目的が「事業用」になっているか注意しましょう。
更新には、直近年度の決算書の写しを提出します。具体的には、貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費の明細、などです。
在留資格決定の場合に必要な書類を列記します。
1.会社規模により4つのカテゴリーのいずれかに該当することを証明する資料
2.申請人の活動の内容等を明らかにするいずれかの資料
イ. 日本法人である会社の役員に就任する場合。役員報酬を定める定款の写しまたは役員報酬を決議した株主総会の議事録の写し等
ロ. 外国法人内の日本支店に転勤する場合および会社以外からの団体の役員に就任する場合。地位、期間および支払われる報酬額を明らかにする所属期間の文書(派遣状、移動通知書等)
ハ. 日本において管理者として雇用される場合。労働条件を明示する文書
3.経営・管理に関する専門的な知識を有するものによる評価を受けた事業計画書
4.事業内容を明らかにする次のいずれかの資料
イ.当該事業を法人において行う場合は、当該法人の登記事項証明書の写し
ロ.勤務先の沿革、役員、組織、事業内容(主要取引先との取引実績を含む)等が詳細に記載された案内所
ハ.その他の勤務先等の作成した上記ロに準ずる文書
5.直近の年度の決算文書の写し
6.事業規模を明らかにする次のいずれかの資料
イ. 常勤の役員が2名以上であることを明らかにする当該職員に係る賃金支払いに関する文書および住民票その他の資料
ロ. 登記事項証明書(4のイにおいて提出している場合は不要)
ハ. その他事業の規模を明らかにする資料
7.事務所用施設の存在を明らかにする資料
イ. 不動産登記簿謄本
ロ. 賃貸借契約書
ハ. その他の資料
8.事業を営むために必要な許認可の取得等をしていることを証する文書
9.事務所の施設の存在を明らかにする資料
⑴不動産登記簿謄本
⑵賃貸契約書
⑶その他の資料(例:写真で代表および従業員の人数分の机とO A機器が写っているもの)
10.事業規模を明らかにする資料
(1)常勤の職員が一人以上であることを明らかにする当該職員に係る賃金支払に関する文書及び住民票その他の資料
(2)貸借対照表 1通
(3)登記事項証明書 1通
(4)その他事業の規模を明らかにする資料 1通
11. 日本語能力を明らかにする資料
⑴申請にあたっての説明書(PDF)
(2)日本語能力を有する者(申請人を除く。)の住民票 1通
(3)経営者又は常勤の職員が日本語能力を有することを証する次のいずれかの資料
ア 試験により証明する場合には試験の合格証、成績証明書 1通
イ その他の方法により証明する場合には日本語能力を有する者の身分及び経歴を証する資料(卒業証明書等) 1通
(4)日本語能力を有する者が常勤の職員(申請人を除く。)である場合は、当該職員に係る賃金支払に関する文書 1通
12.経歴を明らかにする次のいずれかの資料
(1)学歴による証明の場合
経営管理に関する分野又は申請に係る事業に関連する分野において博士の学位、修士の学位又は専門職学位を有していることを証する文書(学位証明書)1通
(2)職歴による証明の場合
ア関連する職務に従事した機関並びに活動の内容及び期間を明示した履歴書 1通
イ関連する職務に従事した期間を証する文書(在職証明書等) 1通
13.前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の写しが提出できない場合、その理由を明らかにする文書
① 源泉徴収の免除を受ける機関の場合、外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料
② 上記を除く機関の場合、給与支払事務所等の開設届出書の写しおよび次のいずれかの資料
a 直近3ヶ月分の給与所得・退職等の所得税徴収高計算書
b 納期の特例を受けている場合は、その承認を受けていることを明らかにする資料
市場分析、事業戦略、財務計画、組織構造、将来の展望などが含まれます。 特に初年度の毎月の収支計画は重要です。
日本の税制は複雑ですので、お近くの税理士に相談されることをお勧めします。弊事務所での紹介も可能です。
資格該当性に3年以上の経験または経営に関する修士以上の学位が求められるようになりました。
可能です。家族向けの「家族滞在」ビザを申請することができます。
申請中に重要な変更がある場合は、再申請や追加書類の提出が必要になる場合があります。
ビザの申請のために申請者または常勤の職員に日本語能力が求められることになりました。実際問題としては日本でビジネスを行う以上、必要だと思った方がいいでしょう。
まず在留資格認定証明書の有効期間は3ヶ月です。その間に在外公館にてビザの発給を受けます。ビザは発行されてから3ヶ月以内に入国する必要があります。
申請書類が完全であれば、数週間から数ヶ月の範囲ですが、ケースによって異なります。
事業が失敗した場合、ビザの更新が難しくなる可能性があります。在留期間内はもちろん滞在可能ですし、リカバリーする方法を考えましょう。
必須ではありませんが、複雑な手続きをスムーズに進めるためには強く推奨されます。ご自身で申請のために時間を使うよりは、本業の事業が成功するために時間を割くべきです。
IAFJ行政書士事務所をお選びいただき、ありがとうございます。
日本の入管手続きにおいて、皆さまの成功に 寄与できることを楽しみにしております。フランス語でも対応いたします。
IAFJ行政書士事務所