高度外国人材(高度専門職ビザ)の配偶者の就労制度:
特権、メリット、そして申請手順を徹底解説
こんにちは、IAFJ行政書士事務所です。日本で高度なスキルを持つ外国人(以下:高度外国人材)が活躍できるように、日本政府は特定の優遇措置を設けています。その中でも「配偶者の就労」に関する制度は、多くの外国人家族にとって魅力的な特典です。この制度を上手に活用することで、配偶者がフルタイムで働けるようになり、家庭全体の安定や将来設計がしやすくなります。今回は、この制度の特徴、具体的なメリット、そして必要な手続きについて詳しくご紹介します。
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外国人配偶者が就労できる条件と方法
まずは、配偶者がどのようにして日本で働けるようになるのかを確認しましょう。高度外国人材の配偶者には、次の方法で就労する選択肢があります。
1.1 資格外活動許可の取得 この方法では、「家族滞在」の在留資格で日本に滞在する配偶者が、パートタイムで働けるようになります。具体的には、「資格外活動許可」を申請することで、週28時間以内の労働が可能です。
- 必要書類: 資格外活動許可申請書のみ。
- 注意点: 風俗業種には就業できない点や、就労時間制限を厳守することが求められます。また、ほぼ無条件で許可される週28時間の包括許可ではなく、個別許可の場合は活動内容や時間、報酬について説明する文書が必要です。
1.2 特定活動ビザの取得 高度外国人材の配偶者がフルタイムで働ける特権は、「特定活動」ビザを取得することで実現します。このビザを取得することで、週28時間制限が撤廃され、より広範な職種で就労が可能になります。また、学歴・職歴の要件を満たす必要がありません。
- 就労範囲: 「研究」、「教育」、「技術・人文知識・国際業務」、または「興行」に該当する業種での就労活動が許可されます。
- 条件: この許可を得るためには高度外国人材本人と同居すること、報酬が日本人と同等額以上であることが必要です。
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配偶者就労制度のメリット
2.1 経済的な安定とキャリアの実現 特定活動ビザを取得することで、配偶者がフルタイムで働くことが可能になり、家庭の収入が増え、さらなる経済的な安定が得られます。また、配偶者が自身のキャリアを日本国内で発展させることもできるため、家庭全体で日本での生活が豊かになり、また日本社会への貢献ができます。
- 幅広い業種に対応: 高度外国人材の配偶者は、多様な職種で就労でき、教育機関での教職から企業での国際業務まで選択肢が広がります。
- キャリアアップのチャンス: 日本国内での職務経験は将来的な転職やビザ変更の際にも有利に働きます。
2.2 手続きの簡略化と柔軟性 通常、就労ビザを取得するには学歴や職歴の要件が厳しく設定されていますが、高度人材の就労する配偶者の特定活動ビザではこれらの条件が緩和されており、配偶者がより簡単に働ける環境が整っています。
- 学歴や職歴の制限なし: 高度人材の就労する配偶者ビザ取得には高い学歴は不要で、柔軟に職業を選べます。
- 手続きの迅速化: 入国管理局による手続きは、通常より迅速に行われることになっており、配偶者が早期に働き始めることができます。
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配偶者が就労するための具体的な手続きと必要書類
3.1 特定活動ビザの申請 特定活動ビザを取得するには、入国管理局に以下の書類を提出する必要があります。
- 申請書:行おうとする活動に応じた在留資格(「教育」「研究」「技術・人文知識・国際業務」「興行」)の在留資格認定証明書交付申請書
- 活動の内容、期間、地位及び報酬を証する文書、招聘期間の事業内容を明らかにする資料等:職務内容と報酬が記載された雇用契約書・会社のパンフレット等
- 身分証明書類: 高度外国人材本人との身分関係を証する文書(結婚証明書等)、高度外国人材本人の在留カードと配偶者のパスポートのコピー
3.2 資格外活動許可の申請 パートタイムで働きたい場合は、「資格外活動許可」を取得するのが一般的です。週28時間以内の報酬を受ける活動の場合、比較的簡単な手続きで、申請書と在留カードを提出するだけで済みます。
3.2 自ら就労資格の資格を申請 高度外国人の配偶者としてではなく、自ら就労ビザを取得するという方法もありますが、このケースはあまり一般的とは言えないでしょう。通常の就労ビザの申請になります。
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よくある質問と注意点
Q1: 雇用が解消された場合はどうなりますか? A: 配偶者が雇用契約を終了した場合、特定活動ビザの更新は困難になるため、再度就職先を見つける必要があります。また、雇用が途切れた際は、速やかに入国管理局に報告し、新たな就職先を見つける手続きを行いましょう。
Q2: 日本人と同等額以上の給与とは具体的にいくらですか? A: 業種によりますが、日本国内でその職種に従事する日本人労働者が受け取る平均給与と同程度である必要があります。これは、地域や業種によって異なるため、事前に雇用先と確認しておくことが重要です。
Q3: 高度外国人材が日本を出国した場合、配偶者のビザはどうなりますか? A: 高度外国人材本人が日本を離れる場合、配偶者の特定活動ビザも影響を受けます。こうした場合には、ビザの変更手続きや帰国の手続きを進める必要がありますので、早めに専門家に相談することが推奨されます。
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まとめ
高度外国人材の配偶者が日本で働けるという特典は、多くの家庭にとって経済的、社会的な安定をもたらします。この制度を最大限に活用することで、配偶者がフルタイムの仕事に従事し、日本で充実した生活を送ることができます。ただし、必要な手続きや条件を理解し、確実に準備を進めることが重要です。
IAFJ行政書士事務所では、配偶者の就労ビザに関する相談から申請まで、専門家が全面的にサポートいたします。ビザ取得をスムーズに進めたい方は、遠慮なくご相談ください。日本での生活がより豊かになるよう、お手伝いさせていただきます。