高度専門職ビザで家族や家事使用人を日本に帯同する方法と注意点
こんにちは、IAFJ行政書士事務所です。本日は、高度専門職ビザを取得した外国人材が利用できる「家族・家事使用人の帯同」に関する優遇措置について、詳しくご紹介します。この制度は、日本で働く高度なスキルを持つ外国人にとって、家族や家庭内のサポートをより容易にするための重要な特典です。この記事では、家族や家事使用人を帯同させる際の条件や手続き、そして注意点を詳しく解説していきます。
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家族の帯同に関する優遇措置
高度専門職ビザを持つ外国人材は、配偶者や扶養家族である子供を日本に帯同することが可能です。この制度により、高度外国人材が日本で安心して働くことができるよう、家族のサポートが確保されるのです。
◎親の帯同について
通常、就労資格で在留する外国人の親の帯同は認められていませんが、高度外国人材については、本人またはその配偶者の親を日本に帯同させることも、一定の条件下で認められています。このような場合は、親の帯同を認めるために、以下の状況のいずれかに該当する場合に認められます。
- 高度外国人材やその配偶者に7歳未満の子供がいる場合。
- 高度外国人材本人またはその配偶者が妊娠中で、そのサポートが必要な場合。
これに加えて、親が帯同できるためには、世帯年収が800万円以上である必要があります。この年収には、配偶者の収入も含めて計算できます。つまり、高度外国人材一人の収入が条件に満たなくても、夫婦の合算収入で要件を満たすことができるため、柔軟性があります。親を帯同させることで、小さな子供がいる家庭や、配偶者が健康上の理由で支援を必要とする家庭にとっては、非常に助けになる制度です。
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家事使用人の帯同
高度専門職ビザには、特に家庭を支援するための大きな利点として、家事使用人の帯同が認められています。通常、外国人の家事使用人を日本に連れてくることは困難ですが、高度外国人材にはその特例が適用され、家事使用人を帯同させることが可能です。高度専門職以外では「経営・管理」または「法律・会計業務」でのみ家事使用人の雇用が可能です。
◎帯同できる家事使用人の条件
外国で雇用していた家事使用人を引き続き帯同させるため(入国帯同型)には、次のような条件が求められます:
- 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上であること。
- 帯同できる家事使用人は1名までですが、投資運用業等に従事している高度外国人材の場合は、2名まで帯同が認められます(金融人材型)。ただし、この場合は、世帯年収が3,000万円以上である必要があります。
- 家事使用人18歳以上であること。
- 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること。
- 高度外国人材に本国で1年以上雇用されていたものであること
- 高度外国人材が日本から出国する際には、共に出国する予定であること。
また、帯同する以外の方法で家事使用人を後から呼び寄せ雇用する場合(家庭事情型)の要件は以下を満たす必要があります:
- 高度外国人材の世帯年収が1,000万円以上であること。
- 帯同できる家事使用人は1名までですが、投資運用業等に従事している高度外国人材の場合は、2名まで帯同が認められます(金融人材型)。ただし、この場合は、世帯年収が3,000万円以上である必要があります。
- 家事使用人18歳以上であること。
- 家事使用人に対して月額20万円以上の報酬を支払うことを予定していること。
- 家族の特殊な事情(申請の時点において、高度人材本人に13歳未満の子または病気等により日常の家事に従事することができない配偶者を有すること
この家事使用人の帯同制度は、特に多忙な高度外国人材や、家族のサポートが必要な場合に大きな助けとなります。
なお、「家事使用人(金融人材型)」については、高度専門職外国人の世帯年収等に係る要件を満たしていれば、雇用主と共に出国する予定であることや、雇用主である高度専門職外国人が13歳未満の子等を有していることなどの要件はありません。
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帯同した家事使用人の在留条件
家事使用人が日本で働く際、その在留資格を維持するためには、雇用主である高度外国人材の年収が1,000万円以上であることが必要です。年収が一時的に減少した場合でも、直ちに在留資格が失われるわけではありません。しかし、在留期間の更新時には再度1,000万円以上の年収を証明する必要があります。
また、家事使用人が帯同する期間中、雇用主である高度外国人材が他の在留資格に変更した場合、家事使用人の在留資格も影響を受ける可能性があります。例えば、高度専門職ビザから他の就労ビザへ変更した場合、家事使用人の帯同資格も変更や再申請が必要になることがあります。このような場合、適切な手続きが必要となりますので、早めに専門家に相談することが重要です。
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帯同した親の同居義務について
高度外国人材が親を日本に帯同させる場合、原則として高度外国人材と同居する必要があります。別居が発生した場合には、在留資格の更新が難しくなることが考えられます。ただし、別居が発生したからといって直ちに在留資格が失効するわけではなく、在留期間内は引き続き在留が認められる場合もあります。しかし、次回の在留資格更新時には、同居が継続しているかどうかが厳しくチェックされるため、更新は認められなくなります。
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永住権取得時の家族や家事使用人の対応
高度外国人材が永住権を取得した場合、配偶者や子供も自動的に永住権を取得できるかどうかは重要なポイントです。高度外国人材本人が80ポイント以上を持ち、1年以上日本に在留していれば、永住権の申請が可能ですが、配偶者や扶養家族にはその制度は適用されません。また、家事使用人についても、永住権を取得した雇用主が引き続き家事使用人を雇用する場合、在留資格の変更手続きを行う必要があります。
このように、永住権取得に伴い、家族や家事使用人に対しても適切な手続きを行うことが重要です。適切な申請や更新手続きを怠ると、家族や使用人が日本に滞在できなくなる可能性があるため、注意深く対応することが求められます。
まとめ
高度専門職ビザによる「家族・家事使用人の帯同」制度は、高度外国人材にとって非常に有利な優遇措置です。特に、家族全体での移住や生活の安定、さらには家事使用人による家庭のサポートが重要な方にとっては、魅力的な制度です。これらの優遇措置を最大限に活用するためには、詳細な条件を把握し、正確な手続きを行うことが必要です。
もし、家族や家事使用人の帯同についてさらに詳しい情報が必要な方、または具体的な申請手続きをお考えの方は、ぜひIAFJ行政書士事務所までお問い合わせください。私たちは、皆様の日本での生活とキャリアを全力でサポートいたします。