外国人富裕層向けの日本のゴールデンビザ!?
最近、友人を介して以下のような相談を受けました。
東京で7.8億円くらいのマンションを買って、日本に暮らしたいと思っているのだけど何から始めたらいいか。その方は英国籍で弁護士、奥様は中華系とのことでした。いわゆる富裕層です。
高学歴、高収入とのことだったのでパッと思いついたのは「高度専門職」または「法律・会計業務」ですが、話を聞くとどうやら日本ではもう働く気はないようで、のんびり暮らしたいらしい。そうなると、いわゆる就労系のビザを狙うという感じではなくなりますので、他を考えなくてはなりません。
いくつかの国には、外国人が投資するとその国に在留する権利をもらえるゴールデンビザと呼ばれるものがあったります。では、日本にそのようなゴールデンビザがあるかというと、単刀直入に言って残念ながらピタリとくるものはありません。
しかしながら、それに近いものはあります。「特定活動」ビザの告示40号41号がそれにあたります。観光・保養等を目的とする長期滞在者(40号)とその配偶者(41号)になります。
以下にその内容を紹介します。
特定活動告示40号(ロングステイ)
①活動範囲:観光、保養その他これらに類似する活動(スポーツ、知人・親族の訪問、娯楽、アマチュアとしての競技会への参加など)
②在留期間:原則6月、入国後1回に限り更新が認められるので最長1年間。
③要件:18歳以上のもので、上陸許可申請の時点で、「申請人及びその配偶者の預貯金の額の合計額が日本円に換算して3,000万円以上(当該配偶者がこの号に揚げる活動を指定されて在留し又は在留しようとしている場合にあっては、6,000万円以上)であること」
④提出資料
- 具体的な在留目的を明らかにする資料(日本における活動内容及び預貯金の額に係る記述を含むもの)
- 申請人(及びその配偶者)名義の銀行等の預貯金口座の現在残高及び申請の時点から翻って過去6ヶ月分の当該口座の入出金がわかる資料(預金通帳の写し)
- 民間の医療保険に加入していることを証明する資料
この制度で夫婦で日本に入国する場合は、以下のように分類されると考えられます。ここでは本人Aとその配偶者Bと表現します。
・Aが特定活動ビザ40号を取得、BはAと住所を同じくして、基本的には常にそこに同行する(特定活動告示41号)→ この場合、申請時の預貯金は3,000万円で足ります
・AもBも特定活動40号を取得 → 預貯金学が6,000万円必要になります。この場合、夫婦の預貯金の合算でも構いませんし、又はどちらか一方に6,000万円以上あれば良いとされています。
◯注意点
・ここでいう夫妻ですが、現に婚姻中のものを指します。内縁関係や、外国で成立している同性婚などは含まれません。
・留学や家族滞在などは資格外活動許可を取ることにより、週28時間まで働くことができますが、特定活動40号41号はその制度に趣旨から、資格外活動許可で働くということも原則できません。
・このビザでの在留期間は、更新は一度きりで、長くても1年間までしかこのビザで日本に滞在することができません。在留期間中に、もっと長く暮らしたいとなった際には、また他のビザの取得を目指す必要があります。
◯その他
例えば、外国人が日本に不動産を購入して、そこを賃貸経営するとなると「経営・管理」ビザが考えられます。経営・管理ビザは、当然のことながら事業の内容や納税状況などを継続して見られますので、不動産買って管理会社に任せっきり、というわけにはいかないかもしれません。しかし富裕層の外国人で、日本でバリバリ働きたいわけではない、という方には現実的な選択肢かもしれません。
それぞれの方に応じて条件が違いますので、気になることがあったら遠慮なくお問合せください。